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このブログは『TW2 Silver rain』の神谷崎刹那、及びその背後が書いている日記です。
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プロフィール
HN:
神谷崎刹那
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1993/02/10
職業:
中学生
趣味:
読書、家事全般
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…第一作ですね…。
あぁ、懐かしい…。(苦笑
見たい人は…続きへ…ちなみに出来に関しては素人芸ですのでご了承ください。

「刹那、このプリントを教室に…。」
「嫌です。」
職員室の一角、そこに佇むは一人の少女と青年。
青年の方は見事な背広を着て銀縁の眼鏡をかけていた。
一方、少女の方は簡素な学生服に梳き流した黒髪、そして無表情。
少女の名は神谷崎刹那。
「…お前は前からそうだな…少しは俺の…。」
「ですから…嫌です。」
無愛想な返答。
しかし、いつも―6年前から―見慣れた光景である。
彼女が小学校に入った時からそうだったのである。
他の事は違う大人びた仕草、極限なほどの無口、そして全くと言って良いほど笑顔を浮かべなかった。
友達の輪から常に距離を置き続け、事務的な事以外は話さない。
休み時間は本を読み、気に入らない言論は無視をする。
一瞬にしての拒絶、それを刹那は得意としていた。
「もう、2年も一緒なんだから少しぐら…。」
「嫌です。あなたの耳は節穴ですか…。」
人を愚弄する様な発言。
怒らせる事によって会話を終わらせる常套手段。
しかし、それも長年付き合ってきた先生の前には無力である。
「まぁ、そこを何とか持って行ってくれよ…。俺とお前の付き合いじゃないか…。」
「…ロリコン先生が何の用ですか…私とあなたは付き合ってません…。」
あくまで辛辣な口調は変わらない。
むしろ、その強さが増している。
「…お前なぁ…。」
「…口答えしない。」
止めの一撃。
「…頼む、俺もこの後会議があって抜けられないんだ…。」
必死に頼み込む先生。
側から見たら立場が逆の様にも思える微笑ましい??光景である。
「………後で埋め合わせしてくださいね…。」
渋々、といった感じでプリントに手をかける。
「……埋め合わせ…デートか??」
「本気で言っているんですか??」
「…ジュースで良いか??」
「………………ココア……。」
恥ずかしいのか俯きながら答える。
どうやら自分でも子供っぽいと思ったらしい。
「おう、任せとけって…ココアな…。」
特に何も言わず、ただ注文を復唱する。
「じゃあ…。」
振り向いたその時、もうそこには少女はいなかった。

(…誰でしょうか…先程から私の後ろにいる方は…。)
黄昏時の2階の廊下。
背後には何者かの気配である。
(…少なくとも…先生や児童ではないようですね…。)
教師特有の規則正しい歩き方でも、児童の様な無邪気な歩き方でもない気配を消す事を主体としている様な歩き方。
(不審者…それか…魔の域に伏せし者ですね…。)
歩いて止まってを繰り返す。
すると、背後の気配も同様に繰り返す、一部の狂いも無く。
「隠れているのは分かっています…出ていらっしゃい…。」
言葉に反応は無く次に表れたのは黒い刃。
少女は咄嗟に身をかわす。
そこに廊下を察過し火花を散らす黒の殺気が押し寄せる。
(…ここは…使うべきですね…。)
スカートの下から手に獲物を移し、その引き金を引く。
しかし、当たる気配は無く弾は虚空へと掻き消える。
(……やはり一筋縄には…ならば…。)
気配を消して相手の気配と魔力の流れを辿る。
背後が歪み自らの影が刃となり襲い掛かる。
自らの影であるが故回避は不可能。
それを知ったか知らぬか、振り向かずに自らの後ろに弾を放つ。
怨嗟に満ちた声が響き、刃は型を崩す。
しかし、その質量は変わらずに少女に降りかかる。
「っ…………けほっ…こほっ…。」
口の中に鉄の味が広がる。
しかし、原因は口の中ではない。
体中の血が下がる様な不気味な感触。
そして、それと共に蝕む様な冷気。
幼い少女の身体に耐えられる訳が無く、音と光が遠ざかっていった。

「おい…神谷崎…大丈夫か…。」
掛け声に眼を覚ます。
目の前にあるのはリノリウムの壁。
そして、特有の消毒液の香り。
横に顔を向けるとそこにはココアを持った先生の姿があった。
「……せん…せい…。どうして…ここに??」
未だに身体には鈍痛が駆け巡り、話すのにも相当な気力が要る。
「お前…体調悪かったのか??廊下のど真ん中に倒れてたんだぞ…。」
未だに驚きと焦りを隠せないらしい。
少し、早口に畳み掛ける。
「……いえ、少し…立ちくらみがして…。」
理由が魔法による物だなどと言える筈も無く言い訳でその場をやり過ごす。
「…貧血かな…まぁ良い、今日は遅いからもう帰ろうか…。」
そう言われて時計を見る。
時計は17:30をさしている。
「……はい…迷惑かけて…申し訳ありません…。」
会話を不用意な方向に持ち込まない為の謝罪。
「良いんだよ…べつに迷惑なんて思ってないから…ほら、約束のココア…。」
そう言うと共に手に持っている缶のココアを差し出す。
ずっと置いてあったココアなだけに冷たさは失われていたが、かえって具合の悪い少女にはありがたかった。
一口飲み、ゆったりと息を吐く。
心地良い甘さとほんのりとした苦味が安らぎを与える。
「…よし、じゃあ帰るか…今日は…俺が送って行こう。」
「……別に…大丈夫です…間にあってます。」
ココアを飲みつつの返答。
冷淡な口調もココアのせいでかなり子供染みて、背伸びしてる様に見えた。
「…ほら、立てるか?」
そう言って手を伸ばす。
「…大丈夫です、もう立てますから…。」
弱弱しい足取りだが、立って歩けはした。
先生も今回ばかりは何も言わずに、ただ後をついて行くだけだった。

昇降口から外に出ると紫に染まった夕空に星がちりばめられていた。
そして、歩こうとした刹那、目の前を何かが通り過ぎた。
地面を見るとそこには何も無かった。
「………雨?」
空を見上げるが雲ひとつ無い。
だが、少しずつ目の前を通り過ぎる物は数を増やす。
そして、一瞬降り注ぐとすぐに消えた。
少女は不審に思いながらも歩く。
その眼に映った物は―『銀』―であった。
雨の様に降り注ぐ銀の糸。
しかし、他の誰もが雨だとも思わなかった様である。
それ故、少女も『銀』を思考の隅へと追いやり日常に姿を消した。
その後、彼女は能力者として覚醒し、銀誓館学園に入学する事になる。
そして、色々な物と触れ合い、敵対していく事になるであろう。
しかし、それはまた別の物語である…。
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