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このブログは『TW2 Silver rain』の神谷崎刹那、及びその背後が書いている日記です。
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プロフィール
HN:
神谷崎刹那
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1993/02/10
職業:
中学生
趣味:
読書、家事全般
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と、言うわけでコピペももうちょっと…。
見たい人はもうお分かりかな??

どれくらい眠っていたのだろうか。
夜特有の涼やかな空気とうっすらと差し込む月光の中で目を覚ます。
時計をちらりと見た所、午前三時をさしている。
部屋の中には凛とした静寂が満ち、別世界であるかの様な雰囲気を醸し出している。
「………寝れない……どうしよう…。」
音を立てない様にベッドから降りて、服を着替える。
どうやら夜の散歩に行くらしい。
この時間帯、不審者はおろか人自体の姿さえない。
あるのは薄ら寒い秋の夜風と妙に心地良い静寂だけである。
玄関の鍵をそっと閉め、前の通りを歩き出す。
街灯が行く先々を白く、点々と示している。
「………涼しいですね…もう秋って感じです。…秋の夜長はなかなかに退屈だったり…。」
苦笑しながら虫の音を聞き、優雅に微笑む。
風雅な音色とともに、過ぎ去った夏の余韻が鼻腔を擽る。
ふと、足を止めるとそこには公園があった。
無意識のうちに足を運んでいたらしい。
公園の溜め池には時期外れの蜻蛉が後世を遺そうと奮闘していた。
「……あなたもなかなかに遅いですね…。」
蜻蛉に対して話しかける。
側から見ればおかしな光景ではあるが、今この時間、周囲に人はおろか静の気配しか感じられなかった。
「お嬢さん、こんな夜更けにお散歩ですか??」
いきなり後ろからかかる声。
朗々とした響が一瞬であたりの空気を震わしていく。
声の主に対して振り返らずに呟く。
「あなたこそ…こんな所にいかなる御用がおありなのですか??」
全く動じない少女に対して驚きと不審の念を抱く声の主。
しかし、その雰囲気を一蹴してさらに話を続ける。
「私ですか……私は、少々物入りな用がありまして…その調達と言った所ですね…。」
この公園にこの様な夜更けに探しに来る物。
刹那には心当たりがあった。
稀代の薬草として知られる―霽月樹―。
その効き目は凄まじく、死人を生き返らせるとも、不治の病を治すなどと言う話もあった。
無論、彼女もその存在はもちろん、薬効でさえも知っていた。
そして、今日ここに来た理由も霽月樹の採取にあった。
「霽月樹……ですね…。と、言う事は…あなたもこちら側ですか…。」
何だか嫌な奴に会ったと言わんばかりの口調。
彼女は人との付き合いを極端に嫌うからである。
その時、持っていた扇子がかすかに軋む。
刹那にとっては嫌な事や不吉な事が起こる前触れでもあった。
そして、その予感は今回も例外なく当たるのである。
「あなたも……ですか…。霽月樹……渡して頂きましょうか…。」
霽月樹は一日に一輪しか咲かない。
それ故、重宝されているのである。
その一輪が刹那の手の内にあった。
「お生憎ながら渡せませんね……私にも依頼等でこれに用がありますから…。それとも…力ずくで奪いますか??」
そうは言ってみたものの、武器や符は殆ど持っていなかったりする。
相手は多分きっちりと下準備をしてきているであろう。
「……そうですねぇ……では…『フェーデ』でもしますか…。」
フェーデ―魔法決闘―である。
互いが互いの血によって宣誓をし、事物を賭けて戦うのである。
命の危険は誓いによってないが、それ以外のことは全く保障されていない。
「………良いでしょう…。」
言ってしまった以上引き下がれはしない。
小指をナイフで軽く切り、血を滲ませて誓う。
相手も刀を振りかざし誓いを立てた。
その瞬間、二人の魔力によって結界が敷かれ、空間に膨大な魔力が満ちる。
「「フェーデ!!」」
二人の掛け声が重なり、そして激突した。
白刃が一瞬にして振り抜かれ、空間を斜断する。
それを舞い踊るかの様にコートの端に絡めとリ、別の方向へと弾く。
その力を自らの回転に利用して、下段回し蹴りを仕掛ける。
榊の棒を間に差し込み、止めるとともに符を飛ばす。
その符を白刃で受けて一瞬で消し去る。
これらの動作が一瞬で起こり、凄まじい風が吹き荒れる。
魔力同士がぶつかり合い、拮抗し、炸裂する。
余波を浴びて傷を作り、一瞬で治癒をして再度ぶつかる。
その様相はまさに舞踏であった。
芸術の域まで達した、美しくもあり、踏み外せば死という名の末路を帯びた舞踏。
その渦中に二人はいた。
「フフッ…お嬢さん、たいした準備もせずにここまで良く頑張りますね…実力は私より上かもしれません…。」
特に驚いた風もなく、飄々と言葉を紡ぐ。
「そんな余裕があるんですか……もっと集中したらどうですか…。」
言葉とともに振られる白刃を見切り、受け流し、時に止めながら言葉を返し、符を放つ。
その符を剣で受け止めようとして振りかざす。
その瞬間符は炸裂して、一瞬耳が聞こえなくなる。
ほんの何十分の一秒。
しかし刹那にはそれで十分である。
一瞬の隙を突いて攻防の機転を変える。
青年は焦っていた。
まさかこの少女がそんな手を打ってくるとは思っても見なかったのである。
明らかに戦いに熟練した物が打つ手。
少女の外見や年齢から判断してそんな筈はないと見越していた。
しかし、刹那は戦いなれはおろか、ある一種の戦闘狂である。
戦いに酔いしれるのではなく、あくまで魔を滅する過程としての戦いに面白さを見出す。
それが刹那の戦闘スタイルだった。
故に、彼女はここぞというタイミングを見失うことなく攻める事が出来た。
「やられたなぁ……じゃあ…本気で殺すつもりでいくね…。」
そういうが速いか間合いを一瞬で詰めて刹那の心臓めがけて刃を繰り出す。
流石に突きを榊では受けられない。
そう判断した刹那は身体を半歩ずらす。
その瞬間、刀がぶれて、体中に鋭い痛みを感じる。
それが、体中を切られたと感じるのには数秒かかった。
しかし、怯む事はない。
むしろ、相手の手の内を冷静に計算してこちらの手の内と重ねる。
その間もじりじりと傷が増えていき、血があたりを濡らす。
「耐えてるねぇ………もう、楽になりなよ…。」
そう言って、刃を多重にぶらす。
その瞬間無数の斬撃が彼女を貫いた………に見えた。
が、その瞬間符が割って入り、剣を止めたのである。
「遅延呪文って知っていますか……??」
遅延呪文―ディレイスペル―である。
本来発動されるタイミングを鍵を残してずらす初歩的な技術である。
しかし、あまり戦闘向きではないため、熟練者しか使わない技である。
まして、符術の遅延などはしない。
符術は術式速度に特化した魔道であるからだ。
それをあえてしたという事は相当手馴れている上に、予想をしていた事になる。
「嘘ですよね…………勝ち目がない…………退きますか…。今度会った時まで覚えておくんですね…。私の名は間志十郎。良いな…。」
捨て台詞を残して去っていった。
不意に現れて不意に消える……正直会いたくない様な相手である。
「これで相手が退かなかったら負けでしたからね……危ない危ない…。」
刹那が持っていた符はさっきのが最後であった。
故に、これが決まらなきゃ肉弾戦、近接攻撃の勝負である。
だからこそ、ここで決める必要があった。
だが、そんな考えは刹那にはなかった。
彼女の心にあったのはただ、とんだ散歩になったな、というちょっとした後悔と苦笑だった。
今夜は良く眠るはおろか、寝坊しそうな気がしてならない刹那であった。
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