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このブログは『TW2 Silver rain』の神谷崎刹那、及びその背後が書いている日記です。
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プロフィール
HN:
神谷崎刹那
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1993/02/10
職業:
中学生
趣味:
読書、家事全般
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えぇい、もう恥ずかしいったら恥ずかしいのだ!!
結局の所恥ずかしいのだ!!(ぁ
と、言う訳で見たければどうぞ。

真夜中のアパート。
古びた外装から見るに作られてから三十年は経とうかという古アパートである。
そんなアパートの階段を登る一人の青年。
酒に酔っているのか足元も朧で危なっかしい。
今宵は月の加護がない真っ暗闇な夜―新月―。
青年は何かの気配に後ろを振り返る。
そこにいたのは―影―。
新月で出来る筈の無い影が青年に牙を向く。
酒に酔っていた青年は避ける事も逃げる事も出来ずに喰われた。
一つの悲鳴を残して。

「……本当に単身で乗り込むつもりか…??」
教室には二つの人影。
一人は壮麗な顔立ちの美少年。
もう一人はあどけない顔立ちの少女である。
「……私一人しか今この時点で動ける人がいないのですから…やむおえない事でしょう…。それにこの事態を放っておく訳にもいきませんし…。」
少女が言うにはありえないほどの力強い返答。
どうやら言葉に言霊を乗せているらしい。
「…まぁ、それはそうなのだが…お前一人では危険だろう…。」
「では…今この時点で他に援軍を呼べる様な状況ですか…??」
「…いや…皆出払っているな…。すまない…。」
「いえ…別に謝る事はありません…。それより…時間もありませんし、その場所の住所と地図、それと清めた紙を数枚ください…。」
事物の切迫性と論理性を説き、一瞬にして少年を黙らせる。
怪現象が多発している今、ここ―銀誓館学園―の生徒は解決のために乗り出していた。
銀誓館学園は普通の私立学校であるという外面と共に、能力者の育成という側面を持つ。
その能力者―生徒―は怪事件の解決の為に、日本中を奔走しているのである。
それ故、人員が少ないのも当然の理屈である。
「…紙…何に使うんだい??」
「…この世に言い残した事もありますし…呪符も数枚必要ですから…。」
「なっ…何をばかな事を言って…。」
「じゃあ…あなたには私が死なないという保証はあるのですか??」
穏やかなる反論。
生と死が隣り合わせな世界。
すぐに触れてしまえるぐらい肉薄した闇。
そんな世界に生きている彼女には死は身近なのだった。
「いや…ない…。でも…。」
「……私だって怖くない訳じゃない…。でも…戦わなければいけないのでしょう??」
「………すまない…。」
「じゃあ…行ってきますね…。」
微笑して振り返り、そして走り出す。
「なっ…待て…。」
しかし、少女が振り返る事は無かった。

「ここですか…。本当にボロボロですね…。」
朽ち果てそうな穴の開いた屋根、腐りかけた木製の柱、ひび割れたガラス窓、くすんだ壁。
確かに見るからに『ぼろアパート』である。
刹那はその一室に部屋を借りていた。
敷金は二千五百円。
少女の小遣いの実に九割を占めていた。
「……今月は前借り覚悟かもしれませんね…。」
戦いの前であるというのにゆったりと愚痴を零す。
そこには余裕と警戒心が見て取れた。
少女はひとしきり休みと立ち上がり、天井の板を一枚ずらした。
そこからは埃っぽい空気が流れ込んでいた。
屋根裏部屋である。
しかし、屋根には穴が開いているにもかかわらず、一筋の光も差していない。
それこそが今回の事件の元凶―影―である。
ある世界で言う『ドッペルゲンガー』の様な実体を持たない質量である。
少女に気がついた影は揺らぎ、その姿を変貌させる。
少女も揺らぎと呪力の流れの変化を感じ取り、後ろ手に持っていた榊の棒を構える。
少女の身長ほどもある棒は本来振り回せる物ではないが、武術経験のある彼女はその範疇には無かった。
影は変幻自在に形を変え攻め立てる。
少女は棒を片手に祝詞を交わし、結界を作り出す。
黒の雨は結界によって弾かれ、消える。
黒の刃は榊の棒とぶつかり合い、弾かれる。
まさに一進一退の攻防であった。
しかし、所詮少女は少女、体力面で徐々に押され始めた。
結界も少しずつその硬度を失い、徐々に少女の白い柔肌に無数の切り傷が刻まれる。
紅く滲む肌を気にもせず少女は榊をぶつける。
古来より浄化作用のある榊である。
相手も消耗しない訳ではない。
しかし、一方的に攻められる少女は消耗が急激であるが為立っているのがやっとだった。
「………かなり………やばいですね…。」
満身創痍であるのにもかかわらず、ふと笑みが零れる。
それは虚勢でもなく少女の本質の様に思えた。
笑みと共に懐から出したのは一本の短刀―十六夜華月―。
取り出した純白の短刀を投擲する。
影は短刀を取り込まんと迫る。
が、その短刀は途中で十六本に分かれた。
まさに十六夜である。
その短刀の群れが影の周囲を取り囲み、床を巻き込み突き刺さる。
「暗き闇に潜みし魔に告ぐ・我は神の加護を受けし巫女・死を与えられる事を恐れるならばここより永劫に立ち去れ・『幻夢の鍵』。」
短刀で切り取られた円を媒介にして向こう側の世界と現世を繋ぐ。
そして、影を異界に消し去ったかと思ったその刹那、短刀が弾け、刹那の身体が宙を舞った。
腹部には影の拳が突き刺さっている。
「くっ……うあっ…かはっ……ごほっ…ごほっ…。」
華奢な少女の身体には大きすぎる衝撃である。
思わず蹲り、急所を守る。
その間にも影は勢力を建て直し、槍の雨となって襲い掛かる。
咄嗟に榊の葉を五方に撒き、その全てにパスを繋いで結界とする。
簡易である為全てを防げはしなかったが、肌に切り傷を負う程度で済んだ。
「うあっ……こほっ……。」
咳と共に血を吐くが、それも苦とせずもう一度短刀を投げる。
十六葉の短剣は周囲を包んだ。
「少々手荒ですが…『薄鎧烙刺』。」
突き刺さると同時に炸裂する短刀。
その中にさりげなく符を混ぜ込む事で少しずつ結界としていく。
「………こほっこほっ…。神谷崎流対魔戦術秘儀『弔いの鐘』。」
鐘楼のように立体的に包み込み一瞬にして膨大な呪力で押し込む。
「げほっ……こほっ…。」
内臓に負担がかかり、大量の血が逆流する。
それを押し隠し封じ込め、結界を閉じた。
魔力の反動で視界が大きく歪む。
「少し……眠ろう…。疲れたから…。」
ふと息を吐き床に倒れこむ。
一瞬の後には途切れそうなか細い寝息を立てて眠っていた。
穴の開いた天井から差し込む暖かな陽光の中で。

「うっ……うん……。」
ほんのりと夕方の香りを孕んだ風に目を覚ます。
涼やかな秋の気配が感じ取れた。
「……良く寝ました…呪力も歩けるぐらいには…。」
独り言の様に自らの状況を確認する。
その後、しばらくしてふらりと立ち上がる。
そしておぼつかない足取りではあるが歩き出した。
「……さて…ボロボロな制服はどうしましょうか…。」
家に両親がいない為、気付かれる心配は無いが流石に人目を浴びるのはまずい。
それ故、下に戻りタンスを探る。
中にはふわりとした黒のコートがあった。
流石にまだコートは早いが着るしかないので羽織ってみる。
大きすぎて半分しか手が出ていないが十分着こなせた。
「……じゃあ…帰りましょうか…。」
うっすらと笑みを浮かべて歩き出す。
どうやら今夜はいつもよりも良く眠れそうである…。
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