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ひょんな事から昔を思い出しました…。
舞い散る朱に目の前で切られる親友を……。
こんな過去がなかったら私も普通だったのかな……。
まぁ、事実は分からないのですけどね…。
少なくともその過去があるから雷さんと出会えたのですから十分清算でしょうけど…。
雷さんが気にしてないと良いのですが…。
……忘れないようにここに記して置きましょうか…私の過去を…。
日常という物はいつか崩れる物である。
この事は嘘ではない。
事実私がこの身で体験した事だからである。
私の目の前で私の友は地に伏した。
その時私は身動き一つ出来ず、ただじっと息を殺しているしかなかった。
血の臭いと恐怖で私は気を失ったのだろう。
気がついた頃には私が血に濡れていた。
友の血と、自らの血と、友を奪った者の血で。
私は一体何をしたのか…考えてみたが分からなかった。
手元にある包丁を見て私は戦慄した。
どうやら私はその者を刺し殺したらしいのだ。
私は――――――笑った。
何故か笑みがこぼれたから…。
だから心置きなく笑った。
周りには誰もいないから、狂った様に笑い続けた。
そして眠った。
友達――正確に言えば友達だった物――の横で…寄り添う様にして…。
夢の中で私はもう一人の私にあった。
向こうの私は私が見て見惚れる位に透き通った微笑を浮かべていた。
「あなたが私を助けてくれたの??」
そう言うと少しきょとんと考え込んだ後でこう言った。
「助けたといえば助けたけども、そうしたのは私であってあなただよ??」
そうして私の手を取った。
凍えるほどに冷たい手。
全ての温もりを失った様な、でも私にとっては暖かく思えた手。
だから私は握り返した。
その冷たさを受け入れようと、冷たくあろうと思ったから。
「私があなたならあなたは私…じゃあ…私のお友達になってくれる??」
くすり…くすり…笑いがこぼれる。
なんだか自分がくだらなく楽しくて…。
「あなたが望むなら…私はあなたのお友達」
涼やかな笑顔に惹かれ私も笑う。
何処までも寂しく、何処までも冷たく、何処までも鋭利に。
ふと、眩しさを感じて目を覚ます。
辺りを見回すが何もない。
血塗られた壁も、親友だった物も、その命を奪った者の跡も。
ただ、手の内に一つのロザリオを残して。